ハイテク手術のめざすもの

私たちが手術にナビゲーションのようなハイテク機器や最新のデザインのインプラントを使う理由は、私たちが別に新しい物好きだからではありません。

上で述べてきたように、どうせ人工股関節手術を受けられるなら、脚の長さもそろい、術後脱臼に対して過度に生活に制限を加えられることなく、健康だった頃と同じような生活を再獲得していただきたいからです。

特に女性の患者さんにとって、和式トイレが使えるかどうかは、その方の術後の行動範囲にまで大きく影響するということを術後の患者さんの声から私自身改めて認識しました。

ですから、術後の患者さんを外来で診察している際に「手術したことを忘れるくらい」「人工関節が入っているなんて周りの人から全然気付かれない」「人生が変わった」などという声を聞くと私たちも本当にうれしいです。私たちは今後もハイパフォーマンス（高性能、高機能）な人工股関節手術を目指します。
（中村　宣雄）