変形股関節症

股関節に問題が生じると、関節軟骨がすり減ったり、骨の形が変形したりすることがあります。その結果、関節の痛みが生じ、動きが制限され、ひどい場合には体重を支えることも困難になります。

変形性股関節症の原因として日本人に一番多いのは、出生時に起こった股関節脱臼、亜脱臼の残存に伴う臼蓋形成不全です。その他の原因として関節リウマチ、関節の骨折や脱臼、大腿骨頭壊死症などがあります。また、明らかな原因のないもの（一次性股関節症）もまれにみられます。

運動療法、装具、薬物療法などの保存的治療もありますが、股関節症の進行を予防するという観点から、場合によってはさまざまな種類の骨切り術という手術を行う場合もあります。これは、自分の骨を用いて関節にかかる負担を軽減させようという手術です。下の写真はその一例である寛骨臼回転骨切り術の(1)術前、(2)手術計画、(3)術後を示しています。

しかし変形性股関節症が進行し、症状や骨変形、軟骨の傷害が高度になると前述のような治療法で治る可能性は少なくなります。このような場合に人工関節を用いた治療を行います。