手術後の生活はどんなことができますか?
具体的には以下の点を挙げます。
しゃがみ動作について
しゃがむ場合にはちょっとした注意がいる場合があります。しゃがむといってもお相撲さんがしゃがむような蹲踞(そんきょ)姿勢から女の子すわりに近いものまでいろいろあります。
原則として、しゃがむための筋力が回復していれば、入院中に蹲踞姿勢、正座、三角すわり、あぐらは許可しています。
脱臼の危険性は患者さんによってばらつきが多いので、筋力の回復をみながら患者さんによっては追加の制限がつく場合があります。
原則として、しゃがむための筋力が回復していれば、入院中に蹲踞姿勢、正座、三角すわり、あぐらは許可しています。
脱臼の危険性は患者さんによってばらつきが多いので、筋力の回復をみながら患者さんによっては追加の制限がつく場合があります。
スポーツについて
手術後には日常的な重労働や関節に衝撃のかかるスポーツへの日常的な参加は人工関節の耐久性に影響するとして推奨されていませんでした。しかし手術後の適度なスポーツ参加は心身をリフレッシュし術後の患者さんに良い影響があるとの報告もあります。また、術前のスポーツの技量がハイレベルであれば術後に復帰しても自身で無理のない運動量にコントロールできるとの報告もあります。一般的にレクリエーションレベルで衝撃のかからないスポーツへの参加が推奨されています。アメリカ股関節学会ではゴルフ、水泳、ウォーキング、ハイキング、ボウリング、エアロバイク、サイクリング、ダブルステニス、軽いエアロビ、社交ダンスなどは推奨、スキー、クロスカントリースキー、スケートは経験者には許可、激しいエアロビ、野球、バスケット、フットボール、ジョギングは推奨できないとしています。 スポーツの復帰時期は個々の患者さんの状態で前後しますが、術後3∼6ヶ月で許可しています。
自動車の運転について
人工関節術後の自動車の運転については危険を察知してブレーキがすばやく十分踏めるかが問題になってきます。左の股関節を手術した人では術後のブレーキングにはあまり影響は出ないといわれています。右の股関節を手術した人でも術後2ヶ月の時点でほとんどの患者さんでブレーキング時間は回復するといわれていますが、中には回復に時間がかかる人がいると報告されています。
就寝関係
寝返り、うつ伏せ、横向き寝は、自分で手術した方の下肢を自由に動かせるようになれば、通常術後2∼3週で許可になります。また、ベッドの使用については、ベッドのほうが寝るための動作が楽であることは確かですが、ねおきの動作がしにくくなければ布団でも構いません。
歩行関係
歩行に関する「歩行距離はいつごろから増やせばいいのか?」「一日どれくらい歩いたら良い?」「毎日歩くほうがいい?」といった質問はとても多いです。この種の質問に「何歩以上は歩きなさい」と具体的な数字を言うドクターもいるようですが、残念ながら一日何歩あるく必要があるとか、一日何歩以上歩くのはよくないという研究報告はありません。しかし、人工関節の術後最低1年は歩行機能の回復過程であるということはわかっていますから、術後1年は鍛える意味で歩くのは良いといえますが、なにごとも限度というものがあって、疲労がたまるような鍛え方はかえってマイナスになります。常識的に翌日に疲労を持ち越すような量の運動は過度であるといえます。疲労感を感じるようなら運動量を調節するようにしましょう。
また、歩くことだけが鍛える運動ではなくベッド上での筋力運動やエアロバイクなどの体重負荷のかかりにくい運動も関節に負担のすくない効率的に筋力を鍛える手段ですので取り入れていくことを勧めます。また、ある程度歩行機能が回復すれば、それ以降は「鍛えるために」運動を日常的に継続する必要はありませんが、骨や筋肉の衰えを防ぐために、毎日できる限り歩行したほうがいいと思われます。退院後のスポーツ参加についての項で書いたように日常的な重労働や関節に衝撃のかかるスポーツへの日常的な参加は人工関節の耐久性に影響するとして推奨されていません。「楽しむために」レクリエーション的に運動するとか旅行する程度が一般的には推奨されています。
また、歩くことだけが鍛える運動ではなくベッド上での筋力運動やエアロバイクなどの体重負荷のかかりにくい運動も関節に負担のすくない効率的に筋力を鍛える手段ですので取り入れていくことを勧めます。また、ある程度歩行機能が回復すれば、それ以降は「鍛えるために」運動を日常的に継続する必要はありませんが、骨や筋肉の衰えを防ぐために、毎日できる限り歩行したほうがいいと思われます。退院後のスポーツ参加についての項で書いたように日常的な重労働や関節に衝撃のかかるスポーツへの日常的な参加は人工関節の耐久性に影響するとして推奨されていません。「楽しむために」レクリエーション的に運動するとか旅行する程度が一般的には推奨されています。
筋力トレーニング、関節可動域訓練
退院時に自宅でのトレーニング方法を患者さんの退院の状況に応じて指導していますので、それを参考にしてください。
人工股関節の寿命と手術の成功の ために気をつけること
- 適切な体重を保つ
- 健康と積極性を保つ
- ラグビーやサッカー、激しいエアロビなどの「衝撃」の掛かるスポーツを避ける
- 新しくスポーツや活動を始める前に主治医に相談する
- 素早く動いたり止まったりする身体的活動やひねる動作、衝撃を避ける